日本総合悲劇協会Vol.6『業音』

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第4回 ゲスト:宍戸美和公





『業音』には今回が初参加の宍戸美和公。初演で片桐はいりが演じた財前を演じる彼女と語るのは、「松尾スズキの芝居と、松尾スズキ以外の芝居。それぞれに出るとき の気持ちの違いについて」。

(※この対談の完全版は劇場で販売する『業音』公演パンフレットに収録します。)





吐夢 松尾さん以外の人のお芝居に出るときのほうが全然ラクな気がしません?
宍戸 外のほうが自由にやっちゃう感じ、ありますよね。
吐夢 松尾さんの前だと緊張して、若手に戻っちゃいますよね。困ったことに演技レベルも若手に戻っちゃう。
宍戸 松尾さんに嫌われたくないっていうのがあるんですよね。「こういうことやったら嫌われるかもしれない」と思うと、小さくなっちゃう。
吐夢 でも外に出たら、いっぱしの中堅俳優さん扱いされちゃますからね。下手するとベテラン俳優さんみたいな。
宍戸 ほとんど何も言われなくなりますしね。
吐夢 僕らはまだまだ歳だけ取っちゃった若手みたいなつもりでいるのに、20代前半の若手演出家にしたら、下手すると津川雅彦さんのちょっと下くらいに思われてたりするんですかね。
宍戸 どうなんですかね。
吐夢 宍戸さんも、野際陽子さんの少し歳下くらいに思われてるかもしれません。
宍戸 (笑)。
吐夢 ところで、今までの松尾さんの作品で一番大変だった作品はなんですか?
宍戸 なんだろう……うーん、この『業音』じゃない?
(長坂) 毎回「これが一番大変」って思ってるわけじゃなくて?
宍戸 (笑)いや、初演ではいりさんがやった役っていうのも含めて、なんとか追いつかなければっていう気持ちが常にあるので。松尾さんの要求に応えたいけれど、ついていけない自分がもどかしいんです。


(※この対談の完全版は劇場で販売する『業音』公演パンフレットに収録します。)